AIによる誤配送検知システム(PoC) ― 倉庫・運送業のお客様

事業・サービスカテゴリ: AIシステム開発(PoC/概念実証) 支援期間: 2025年5月〜2025年8月頃 ステータス: PoC(概念実証)→ 現在はAI・DX外部顧問として継続支援中 概要 倉庫・運送業のお客様に対し、AIを活用した誤配送検知システムのPoC(概念実証)を実施しました。商品をカメラで読み取り、伝票の記載内容と実物に差異がないかを自動で確認する仕組みです。物体検知・OCR・LLM・データベース照合といった複数のAI技術を組み合わせ、人の目だけに頼らないチェック体制の実現可能性を検証しました。
- 公開日
- 2026/07/28
課題(Before)
このお客様の現場では、年に1〜2回ほど発生しうる誤配送が「一件たりとも許されない」という、極めて高い品質が求められていました。お客様からの要望が年々厳しくなるなか、ミスをゼロに近づける仕組みが必要とされていたのです。
特に課題となっていたのが、伝票に記載された商品名やLot No.(ロット番号)と、実物に表記された商品名やLot No.が食い違うケースの検知でした。これを確実に見つけ出すことが、誤配送を防ぐうえでの鍵となっていました。
私たちがご提供した解決策
私たちは、エッジ端末とカメラを用いて、商品(薬剤製品の原料)を読み取り、伝票との差異を自動で確認するシステムを構築しました。
このシステムは、複数のAI技術を組み合わせて成り立っています。カメラで捉えた対象から物体検知で商品を識別し、OCRで商品名やLot No.の文字情報を読み取り、LLMやデータベースとの照合を通じて、伝票の記載内容と実物が一致しているかを判定します。これにより、人の目視に依存していた確認作業を、AIが支援する仕組みへと置き換える可能性を示しました。
成果(After)
PoCを通じてお客様との信頼関係が深まり、現在はAI・DXの外部顧問という形で継続的にご支援する関係へと発展しています。単発の検証で終わらず、お客様のAI活用・DX推進を継続的に伴走する立場をお任せいただけたことが、本プロジェクトの大きな成果です。
お客様との関係
このお客様の社長は技術がお好きな方で、開発にもご自身で意欲的にご協力くださいました。お客様と私たちが二人三脚で取り組めたことが、プロジェクトを前進させる大きな力となりました。
こだわり ― 私たちの技術力と姿勢
このPoCで最大の難所は、現場の環境で「文字を正確に読み取る」ことでした。
カメラの画角や画質の問題により、商品の文字情報がうまく読み取れないケースがありました。私たちはこの課題に対し、複数のアプローチを組み合わせて精度を高めていきました。Lot No.と製品名を掛け合わせて照らし合わせる照合ロジックを設計し、OCRに用いるモデルを精査。さらに、物体検知においては学習用データを自ら作成し、専用の物体検知モデルを構築しました。そのうえで、状況に応じた3パターンの処理フローを用意し、読み取り条件のばらつきにも対応できるようにしています。
私たちは、「実運用に耐えうるか」というシビアな視点を持ちながら、複数のAI技術を最適に組み合わせ、現場の制約のなかで成果を出すことを大切にしています。