インフラは楽しいので、SGでやらないか? ― AIに助けられた運用・インフラ管理の現場から

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インフラは楽しいので、SGでやらないか? ― AIに助けられた運用・インフラ管理の現場から

1. コマンドを覚えるのではなく、やりたいことを言葉にする

インフラ運用の最初の壁は、たいていコマンドです。AWSを操作するCLI(コマンドラインインターフェース=黒い画面から文字で命令を出す仕組み)には、サービスごと・操作ごとに膨大な数のコマンドとオプションが用意されています。全部を暗記している人には、私たちはまだ会ったことがありません。経験を積んだメンバーでも、その都度ドキュメントを開き直しながら書いています。

ここがAIで大きく変わりました。「この環境のインスタンス一覧を、タグごとに整理して見たい」と日本語で伝えると、AIが目的に合うコマンドを選び、必要なオプションまで組み立てて実行してくれます。覚えるべき対象が、コマンドの綴りから「自分は何をしたいのか」に移った、という感覚です。

これ、初学者にはかなり大きい変化だと思います。以前は、やりたいことが頭にあっても、それを表すコマンドを知らないという理由だけで手が止まっていました。その壁がなくなると、学ぶ順番が変わります。先に動かして結果を見て、あとから「なぜこのコマンドだったのか」を理解できる。手を動かしながら覚えられるようになったのです。

2. Terraformがあると、AIが「全体像」を語れるようになる

もうひとつ、AIとの相性がいいのがIaCです。IaC(Infrastructure as Code)とは、サーバーやネットワークといったインフラの構成を、手作業ではなくコードとして書き残しておく考え方のことです。私たちはその代表格であるTerraformで、インフラの状態を管理しています。

構成情報がコードとして一箇所にまとまっていると、AIはそれを丸ごと読んで解釈できます。何が起きるかというと、全体像を掴むのが簡単になります。「この環境はどういう構成なのか」「このリソースはどこから参照されているのか」に、AIがコードを根拠として答えてくれるからです。

引き継ぎの場面を想像すると、分かりやすいかもしれません。以前は、初めて触る環境を任されたら、設定画面をひとつずつ開いて回って、頭の中に地図を描き直すところから始めていました。今はコードとAIがあれば、その地図づくりを短縮できます。初学者が既存の環境に途中から入るときのハードルも、同じ理由で下がりました。

逆に言うと、AIの力を引き出すには「読ませられる状態」を先に作っておく必要があります。手作業で設定した内容がどこにも残っていなければ、AIも読みようがありません。インフラをコードで管理しておく価値は、AI時代になってむしろ上がったと感じています。

3. インフラは楽しい。だからこそ、踏み抜かない判断が要る

ここまで良い話ばかり書いてきましたが、実務にはもうひとつ欠かせないものがあります。バッドプラクティスを踏み抜かないための判断です。

AIは、指示された目的に対して「動く答え」を素早く出してくれます。ただ、その答えがその環境にとって最適とは限りません。今は問題なく動くけれど、運用が長引くと苦しくなる構成。手っ取り早く権限を広く与えてしまう設定。目の前の課題は片づくのに、セキュリティや将来の保守性から見ると避けたい選択肢が、インフラには本当にたくさんあります。

だからAIの提案をそのまま通さず、「この方針でいいのか」を人が判断します。これは知識量というより、経験と設計の観点の話です。私たちは自社開発とネットワークセキュリティの両方をやっているので、この踏み抜かない判断はとくに大事にしています。

初学者の方に伝えたいのは、この判断力を最初から持っている必要はない、ということです。手順の部分をAIが肩代わりしてくれるようになった今、学びの中心は「なぜそうするのか」に移りました。順番としては、まず動かして感触を掴む、次に判断の理由を言葉にしてみる、そして誰かにレビューしてもらう。この繰り返しが一番早いと思います。私たちがどんな体制で開発・運用に取り組んでいるかは、SGのページ(https://en-gage.net/_skygrid/)でもご紹介していますので、雰囲気を掴む材料にしてみてください。

まとめ

日々の運用・インフラ管理でAIに助けられている場面を、3つご紹介しました。

コマンドを暗記しなくても、やりたいことを日本語で伝えれば実行できる。Terraformでコード管理していれば、AIが全体像の把握を助けてくれる。それでもなお、バッドプラクティスを避ける判断は人が担う。この3つが、今の現場の実感です。

覚えることの多さで敬遠されがちだったインフラは、AIのおかげで「まず触ってみる」ことができる領域になりました。手が動くと、仕組みが見えてきます。仕組みが見えてくると、インフラは素直に楽しい。だからこれから学ぶ方は、教科書を読み切ってから始めるのではなく、小さな環境をひとつ作って壊してみるところから入るのがおすすめです。

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